昨日は 動物の行動学の先生のセミナーを受講してきました。

心因性の皮膚疾患と心因性の胃腸疾患がテーマでした。行動学を専門とされている先生は、まだ 少ないのではないでしょうか、人間でいうところの 心療内科のドクターがこれに当たるのかと思います。

心因性の疾患  精神的な原因の疾患  ストレス性の疾患  こんな言葉が近いのかもしれません。間違っていたらすいません。たとえば 頑固な皮膚疾患でわたしどものような 一般の動物病院にかかったが ずっと 体を掻き毟る、そして 皮膚疾患の専門医を紹介されて 受診したが 専門のドクターも もう 完治しているはずです。心因性でしょう とか 精神的な原因かもしれない 爪を噛むのが癖になってるのかもしれません  とか、、こんな時 最後に助けてくれるのが 行動学のドクターです。

では、実際に治療は まず 皮膚を掻き毟るなどの異常行動の原因を探るため 動物の環境 家族構成 いつも家のどこにいるとか 来客が多いかとか ほかのワンちゃんが 家に来ることがあるか など、行動調査に 多くの時間をかけるのだそうです、そして ストレスを理解した上で こんどは 行動治療になります。この辺は 一般の動物病院では なかなか難しいのですが  退屈がストレスになっているケースが多いそうで これなら うちの病院でもアドバイスできます。人は退屈なら パソコンいじったり テレビ見たりゲームしたりですが ワンちゃんは 遊びたいのに 家族は皆テレビをみてるか 自分の部屋に閉じこもってて遊んでくれない 退屈 となるのだそうで やはり 構ってやる 知育トイを利用する 動物用知育トイは 色々なものが売られているそうです。知育トイとは オモチャのなかにおやつを仕込んであり でもそう簡単には おやつがでてこなくて ワンちゃんが知恵を使い さらにかなり努力しないと 仕込んであるおやつを 食べることができない仕掛けになっているそうです、

行動の修正だけで難しい場合は抗うつ剤などの薬物療法も利用します。薬物の人の強迫性障害などと同様な効果があることがわかっているそうです。

最後は心因性腸疾患の話しでした。ストレスを受けるとお腹を壊す  誰もが経験したことがあるのではないでしょうか、脳腸相関という言葉をよく耳にしますが 脳と腸は自律神経やホルモンなどで情報伝達し影響しあっているそうです。ストレスが腸内細菌バランスを変えてしまう この辺の研究はどんどん進んでいて  たとえば 宇宙飛行士の腸内細菌の変化とか 大腸ガンの人が決まって持っている腸内細菌     ある腸内細菌が少ない子供は異常行動があったり 自閉症になりやすいとか  これから腸内細菌をコントロールすることで 精神の安定やガンの予防なんかも期待できそうな予感がしました。