昨日のセミナーは、低侵襲手術への取り組み というタイトルでした。セミナー会場で まず 驚いたのは、いつも ほぼ 満席なのに 参加人数が 50パーセント セミナー講師は 定評のある先生で 講師のせいでない事は あきらかです。途中で理由が 分かりました。 その日は サッカーの放送がある日だったのです。サッカーの影響力には 驚きです。やはり皆さん録画でなく みんなでワイワイしながら試合みたいのですね、
低侵襲手術とは、患者に極力外科ストレスを与えずに 手術を行うということで 私の母なんかは 腹腔鏡手術で 胆嚢切除を以前おこないました。やはり お腹をバッサリ切って 手術するより 入院期間も短くキズも目立たず 痛みも少ない いい事尽くめの感触がありました。動物ではどうでしょう。とても大きなワンちゃんなら別ですが ほとんどのワンちゃんでは あまりメリットがないそうです。手術時間は お腹をきったほうが圧倒的に早くて お腹に数カ所開ける穴も合計すると お腹を開くキズと大差なくなってしまうのだそうです。あとは 設備 機器が高額、高度な技術が必要などです。不思議な事にこの腹腔鏡手術を実際行なっている動物病院は、関西方面に多く 関東の動物病院は あまりないのだそうです。これだとデメリットばかりですが 通常の手術と内視鏡手術を組み合わせたビデオ アシストというのが トレンドだそうです。
あと、細くなっている血管とか消化管とか バルーン拡張という技術で 開胸 開腹が必要なくなりました 以前は 細くなった 血管や 食道など 細い部分を切除する 大手術でした。
写真はステントというものです。私の仲間にも 血管の病気で 血管の中にステントを入れて生命拾いしたものも少なくありません。ここでは 血管内ではなく 気管に入れるステントで 気管虚脱という病気に利用されます、気管虚脱は 気管がへん平に潰れ気味になり呼吸が苦しくなる病気で ほとんど内服薬適用ですが これですまない重度のものは 手術になります。手術には、ノドをひらいて気管をむきだしにして アクリルの補強剤に気管を外から多数縫合して気管が潰れないようにする手術。慣れたドクターなら成績も良い様です。しかし なかなかの大手術。これに対してステントは 気管に差し込んで 気管の中に置いてくるだけ、最近までは、気管の中のステントは、異物反応が強く入れたステントせいで咳がひどくなったり 成績が良くない印象でしたが ステントの材質 強度の改良などで 各段に成績が上がったそうです。
今回のセミナーは、私自身で出来ないものがほとんどでしたが 無駄にはなりません 患者さんを大学病院にご紹介する場合も そこでどんなことが 行われるか知っていないと自信を持って ご紹介出来ないものです。